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山口市・防府市で不動産売却を手がける住むテラスが、不動産売却に関するお役立ち情報や豆知識をご紹介します。不動産のスペシャリストとしての知識や経験、地域密着型の情報力を活かした内容をお届けいたしますのでご覧ください。

2025.12.24

会社を売りたい経営者向け!売却の進め方と適正価額を知るポイント

経営戦略の一環として、あるいは事業承継の円滑化を目指す上で、会社を売却するという選択肢は、多くの経営者にとって重要な決断となります。
自社の価値を最大化し、次のステージへとスムーズに移行するためには、売却プロセスの全体像を理解し、市場における適正な評価額を把握しておくことが不可欠です。

今回は、株式譲渡と事業譲渡の具体的な進め方から、それぞれのメリット・デメリット、そして自社の価値を適正に評価するための方法論までを網羅的に解説し、円滑な会社売却を実現するための一助となる情報を提供します。

会社売却の進め方

株式譲渡と事業譲渡のプロセスを把握する

会社売却を実現するためには、まず「株式譲渡」と「事業譲渡」という二つの主要な手法のプロセスを正確に理解することが重要です。
株式譲渡では、会社の経営権が株主から買い手へと移転するため、個々の事業資産ではなく、会社そのものが包括的に譲渡されることになります。
このプロセスは、一般的に、初期の秘密保持契約(NDA)締結から始まり、意向表明書(LOI)の提出、デューデリジェンス(DD)の実施、そして最終的な株式譲渡契約(SPA)の締結へと進みます。
一方、事業譲渡では、会社が保有する特定の事業資産(設備、知的財産、顧客リストなど)のみを切り出して売却するため、譲渡対象の範囲を明確に定義することから始まります。
こちらも同様に、秘密保持契約、譲渡対象資産の特定、デューデリジェンス、事業譲渡契約(AssetPurchaseAgreement)の締結というステップを踏みますが、個別の資産移転手続きが伴うため、株式譲渡よりも複雑になる側面もあります。
M&Aアドバイザーなどの専門家が間に入ることで、これらの複雑なプロセスを円滑に進めることが可能となります。

株式譲渡と事業譲渡のメリットデメリットを理解する

株式譲渡と事業譲渡は、それぞれ異なるメリットとデメリットを有しており、会社の状況や売却の目的に応じて最適な手法を選択する必要があります。
株式譲渡の最大のメリットは、手続きが比較的簡便である点にあります。
会社全体の権利義務が包括的に承継されるため、個別の許認可や契約の再締結が原則として不要となり、事業の継続性を損なわずにスムーズな譲渡が可能です。
しかし、会社が抱える簿外債務や偶発債務まで包括的に引き継がれるリスクがあるため、買い手にとっては慎重なデューデリジェンスが不可欠となります。
また、株主構成によっては、株主全員の合意形成に時間を要する場合があります。
対照的に、事業譲渡は、売却したい事業資産のみを選択して譲渡できるため、簿外債務や不要な資産を引き継がせるリスクを回避できる点が大きなメリットです。
これにより、売り手は希望しない負債や事業から解放されます。
しかし、個別の資産や契約、許認可について個別に移転手続きが必要となり、その分、手続きが煩雑化し、時間とコストがかかる傾向があります。
また、事業の一部のみを切り出すことで、残った法人格の処理や、関係者との調整が複雑になる可能性も考慮する必要があります。

譲渡方法の選択基準を理解する

会社売却における株式譲渡と事業譲渡の選択は、会社の置かれた状況と経営者の意向によって慎重に判断されるべきです。
一般的に、会社全体としての事業継続性を重視し、手続きの簡素化を求める場合は株式譲渡が有利とされます。
特に、親族や従業員への事業承継ではなく、外部の第三者への売却を検討しており、会社が抱える負債や偶発債務のリスクを買い手が許容できる範囲であれば、株式譲渡がスムーズな選択肢となり得ます。
一方で、特定の事業部門のみを売却したい、あるいは会社が抱える不要な負債やリスクを完全に切り離したいといった明確な意図がある場合には、事業譲渡が適しています。
例えば、事業再編の一環として不採算部門を切り離したい場合や、M&Aによって簿外債務のリスクを回避したい場合などが該当します。
また、株主構成が複雑で、全員の合意形成に時間がかかるようなケースでは、事業譲渡の方が手続きを進めやすい場合もあります。
最終的には、各手法のメリット・デメリット、税務上の影響、手続きの複雑さ、そして譲渡後の経営体制などを総合的に比較検討し、専門家のアドバイスを受けながら、自社にとって最も有利な方法を選択することが肝要です。

会社の適正な売却価額を知る方法

売却価額の算定方法を理解する

会社の売却価額を適正に算定するためには、いくつかの主要な評価手法を理解し、それぞれの特性を把握することが不可欠です。
最も一般的に用いられる手法の一つに「DCF法(DiscountedCashFlow法)」があります。
これは、将来の事業活動によって生み出されるキャッシュフローを予測し、それを現在の価値に割り引いて企業価値を算出する方法であり、事業の成長性や収益性を重視する際に有効です。
次に、「類似会社比較法(マルチプル法)」があり、これは、市場で取引されている同業種・同規模の類似企業の株価やM&A取引事例における株価倍率(PER、PSR、EBITDA倍率など)を参考にして、自社の価値を算出する手法です。
客観的な市場データを基にするため、相場観を把握しやすいという特徴があります。
さらに、「時価純資産法」は、企業の貸借対照表に計上されている資産・負債を時価で評価し、その差額である純資産額を企業価値とする方法です。
これは、企業の解散価値に近い概念であり、特に資産保有型の企業や、含み資産が多い場合に参考となります。
これらの手法は単独で用いるのではなく、複数を組み合わせて多角的に評価することで、より実態に即した適正な売却価額を導き出すことが可能になります。

類似案件の譲渡条件から相場観を掴む

市場における自社の適正な売却価額を把握するためには、過去のM&A類似案件の譲渡条件を分析し、相場観を掴むことが極めて有効な手段となります。
具体的には、自社と同じ業種に属し、売上規模や利益水準、地域などが近い企業の売却事例を調査します。
これらの事例において、どのような譲渡価格が成立したのか、そしてその価格が、売上高、営業利益、EBITDA(利払い・税引き・減価償却費前利益)といった財務指標の何倍であったのか(マルチプル)を確認することが重要です。
例えば、ある業界ではEBITDAの5倍が相場である一方、成長性の高い業界では10倍を超えることも珍しくありません。
さらに、譲渡時期、買い手の属性(事業会社かPEファンドか)、保有する技術やブランド力、市場シェアといった、価格に影響を与えた要因を深く掘り下げて理解することが求められます。
これらの情報は、M&A仲介会社が提供するレポートや、公開されているM&Aデータベースなどを活用して収集できます。
類似案件の条件を精査することで、自社の潜在的な価値や、交渉における現実的な価格帯を客観的に把握することができるのです。

適正な売却価額を判断するポイント

会社の適正な売却価額を判断する際には、算定方法や類似案件の相場観といった客観的な数値情報に加え、いくつかの重要な定性的要因を考慮に入れる必要があります。
まず、自社の将来性、すなわち今後数年間にわたってどれだけの成長が見込めるか、新規事業や市場拡大のポテンシャルはどうかといった点が、買い手にとって魅力的な投資対象となるかを左右します。
また、独自の技術、特許、ブランド力、確立された顧客基盤、優秀な経営陣や従業員といった、模倣困難な競争優位性も、企業価値を高める重要な要素です。
さらに、買い手との間で生まれるシナジー効果、つまり、買収によって買い手側の事業との間でどのような相乗効果が期待できるか(コスト削減、売上増加など)も、提示される売却価額に大きく影響します。
例えば、買い手にとって自社が戦略的に重要な位置づけにある場合や、強力なシナジーが見込める場合には、市場の相場よりも高い価格が提示される可能性が高まります。
これらの定性的な価値をいかに具体的に、かつ説得力を持って買い手に提示できるかが、適正な売却価額を引き出すための鍵となります。
M&Aアドバイザーなどの専門家と連携し、自社の隠れた価値を最大限に引き出す交渉戦略を練ることが重要です。

まとめ

会社売却は、自社の価値を最大化し、次のステージへと移行するための重要な経営判断です。
そのプロセスは、株式譲渡と事業譲渡のどちらを選択するかによって大きく異なり、それぞれにメリット・デメリットが存在するため、自社の状況と目的に照らし合わせた慎重な検討が不可欠です。
売却価額の算定においては、DCF法や類似会社比較法などの評価手法に基づき、類似案件の相場観を把握するとともに、将来性や技術力、シナジー効果といった定性的な価値も加味して、適正な価格を見極めることが肝要となります。
これらの複雑な手続きや評価を円滑に進めるためには、専門家と連携し、計画的に準備を進めることが、成功への鍵となるでしょう。

当社では、不動産のスペシャリストが徹底的・多角的にサポートいたします。
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